江戸カルチャーを凝縮したジャパンアート・浮世絵

葛飾北斎の代表作「冨嶽三十六景」の中の一つ「神奈川沖浪裏」
葛飾北斎の代表作「冨嶽三十六景」の中の一つ「神奈川沖浪裏」

強烈な画風で江戸カルチャーを描いた日本の伝統芸術・浮世絵。葛飾北斎(かつしかほくさい)、歌川広重(うたがわひろしげ)、歌麿(うたまろ)、写楽(しゃらく)などの絵師達が当時の世の中(浮世)や生活・文化を、時に鋭く、時におかしく描いたものを総称して浮世絵といいます。

歌川国芳の浮世絵。猫が重なり合って「かつお」の文字を作っている「当て字」
歌川国芳の「当て字」。猫が重なり合い「かつを」の文字を作っている

木版画や、筆で描いた肉筆画など制作方法にもよりますが、価格は現在の金額にして、木版画で一枚数百円から千円ほどの手軽な金額。現在、浮世絵の原画を買おうと思えば、北斎や広重もびっくり、100万以上の値がつくものもあります。

葛飾北斎の代表作「冨嶽三十六景」の中の一つ「凱風快晴」
葛飾北斎の代表作「冨嶽三十六景」の中の一つ「凱風快晴」

題材は風刺画や役者絵、伝説や奇談、本の挿絵など多岐にわたりますが特に有名な作品といえば、鬼才・葛飾北斎の代表作『冨嶽三十六景(ふがくさんじゅうろっけい)』の神奈川沖浪裏(かながわおきなみうら)や凱風快晴(がいふうかいせい)。

 歌川国芳の有名な作「相馬の古内裏」
歌川国芳の大胆な構図が印象的な「相馬の古内裏(そうまのふるだいり)」

浮世絵を知らない方でも、一目見たら忘れられないインパクトとまた現代のアーティストがモチーフとするほどの魅力があります。
数世紀を経てた今なお、人々の心を揺さぶる浮世絵。その背景には浮世絵師の表現者としてのパンク精神がありました。

次回へつづく