江戸時代の充実した一日が語源といわれる、3つの言葉をご紹介!

歌川広重画「東都大伝馬街繁栄之図」
歌川広重画「東都大伝馬街繁栄之図」

江戸時代の習慣や言動が、現在使われている言葉の語源になることがあります。

今回は、江戸時代の超充実した1日の生活と、そこからうまれたと言われる語源をご紹介します!

江戸の朝は近所の散歩から始まります。近隣の高齢者や怪我をしたご近所さんにあいさつをしながら様子をみにいったり、長屋に破損がないかチェックすることが目的でした。

現代では、簡単な事、本気を出さなくてもできる事として使われる「朝飯前」ですが、朝食の前にやる日課のような意味合いで「朝飯前」と言われるようになった説もあるようです。

式亭三馬「浮世床」の挿絵
式亭三馬「浮世床」の挿絵

その後、朝食をとり、午前中は自分の「仕事」に励みます。

そして昼食後は公共的な「はたらき」をしました。江戸の「はたらき」とは「傍(はた)を 楽(らく)する」こと。つまり、傍(他者)の負担を楽に(軽く)することを指し、今で言うボランティアを言います。

そして夕方からは、明日も元気に働くために備える「明日備(あすび)」の時間、現代でいう「遊び」の時間だったのです。

「日用助食竈の賑ひ」さつまいも飯の調理風景
「日用助食竈の賑ひ」さつまいも飯の調理風景絵

「朝飯前」の日課から自分の仕事をこなし、皆で助け合う「はたらき」をして「あすび」でリフレッシュ。

しっかり働きつつ遊びも忘れない、超充実の江戸ライフ。語源にもなっていたとは驚きですね。
※語源には諸説あります